高橋眼科院
緑内障は気がつかないうちに少しずつ見える範囲が狭くなってくる(視野欠損)病気です。初期段階では自覚症状がほとんど無いため病状が進行してから気がつくことも稀ではありません。40歳以上では20人に1人(約5%)が緑内障を発症するといわれ、緑内障で欠けてしまった視野は治療によって回復しないため出来るだけ自覚症状の少ない早期での診断が望まれます。
診断:視神経を含め網膜の詳細な検査(OCTなど眼底検査)・眼圧・視野検査が必要です。 OCT(光干渉断層計)は、網膜・視神経の断層面を観察でき、従来はできなかった眼底の三次元解析を可能にした画期的な装置です。当院で導入しているOCTは、神経線維・神経節細胞の欠損を明確に解析できます。 視野検査ではハンフリー自動視野計と動的視野(ゴールドマン視野検査)を行い、OCTなどの眼底検査の結果と併せて総合的に診断していきます。当院では、ハンフリー自動視野計を日本で最初に導入し、17,000人以上の方の診断・治療に役立ててきました。また、動的視野(ゴールドマン視野検査)は機能訓練士ORTが精密に測定致します。 治療:緑内障によって一旦悪くなってしまった視力・視野を回復させる治療方法はありませんが、眼圧を下げることによって進行を遅らせることが可能です。具体的には眼圧下降を目的とした点眼治療を行います。(様々な作用機序の点眼薬がありますので、病態に併せて適切に選択していきます。点眼加療に限界を認める場合手術を検討しますが、失われた視野は手術によって回復しません)。緑内障の適切なコントロールができているのか、毎日の点眼は勿論のこと定期的な外来受診、眼圧・視野・眼底検査での病状の管理はとても大切です。 |